第4回目の「押上文庫一炊の夢 土なべでオペラごはん」は、日本でもヴェルディの人気オペラ「椿姫」をフィーチャーしました。
ごはんは、ホワイトコーンの甘さと柔らかなつぶつぶ感、そして鶏肉とのコンビが絶品だった「鶏とホワイトコーンの土鍋めし」
今回も美味しいマリアージュに大満足の夜となりました。

主な演奏曲目と音楽談義
吉原の花魁と椿姫
日本では「椿姫」というタイトルでお馴染みですが、このオペラの原題は「La traviata」、直訳すれば道を踏み外した女。19世紀半ばのパリを舞台にした、高級娼婦のヴィオレッタが主人公の物語です。
日本でいえば、大河ドラマ「べらぼう」で描かれている吉原が繁栄した時代に近い頃。ヨーロッパでは社交界が華やかになり、そこで高級娼婦たちの最先端のファッションと上流階級との付き合いで身につけた教養が注目されたことも、吉原の花魁文化と似ていて興味深いところです。
オペラ王・ヴェルディの時代は、イタリア国家統一の時代
椿姫を書いたオペラ王、ジュゼッペ・ヴェルディは1813年生まれで、江戸時代半ば~明治にかけて活躍したアーティストですが、その時代はイタリアという国家が誕生した時代でもあるんです。

ヴィットーリオ・エマヌエーレ Wikipediaより
それまで、いくつかの都市国家に分かれて争ってきたのですが、1861年にサルディーニャ王国の勢力によってついに統一されます。そして、サルディーニャ王国の最後の国王ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世が、最初のイタリア国王となるんですね。なんだか、日本の幕末の動きともちょっと似ています。
その統一運動の最中、すでに大人気を博していたヴェルディのオペラで、素晴らしい演奏のあとに観客は「ヴィヴァ、ヴェルディ!"Viva! Verdi!"」と叫んでいましたが、実はこれには隠れされた意味があったそう。
「Viva Vittorio Emanuele Re D'Italia 」つまり、「ヴィットーリオ・エマヌエーレ イタリア国王 万歳!」という言葉の頭文字を、まだ大っぴらに言えない世の中で、サルディーニャ王国の支持者たちはオペラの絶賛に隠して叫んでいたというのです。
日本の歌舞伎でも、政権批判や権力への皮肉が隠喩的に芝居に織り込まれ、大衆が「人気」という形でその批判への指示を表していたわけで、いろんな点で相似形を感じる談義となりました。
乾杯の歌



椿姫 E strano!




Che fai?


Teneste la promessa ..Addio del passato


Finale E strano~




最後は毎回恒例、みんなで滝廉太郎の「花」を歌ってイベント終了。美味しい夜が更けていきます。
土なべごはん
鶏とホワイトコーンの土鍋めし
行者にんにくってご存知でしょうか? にんにくではありません。ニラや長ネギの仲間のネギ科の多年草です。香りはにんにくのようで、修験道の修行者が強壮のために食べていたので行者にんにくと言われるのだとか。
淡白な味ながら出汁のよく出るタコとの相性バツグン。今回も各テーブル、もうお腹いっぱいと言いながら、鍋が空っぽになっていきました。美味しかった~。



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